下地について
工程の中で最も重要視しなければならないのが下地処理の工程です。ハガレやひび割れは雨水の建物への侵入を許してしまいます。そこを如何に塗装に適した下地を作るかが塗装屋さんの見立てと技術、つまり力量なのです。

「上塗り塗料がシリコンかウレタンかで性能が決まる」と思われる方が多いかもしれませんが、誤解を恐れず言えば、それは艶が何年間残るかどうかのことでしかありません。

壁のひび割れ対策
クラック幅(ひび割れ)0.5mm以下の場合、ノンブリードのコーキング又樹脂モルタル擦り込みが標準仕様です。0.5mm以上の場合、Uカット・樹脂モルタル充填がベストです。工事仕様書等でよく確認しましょう。が0.5mm以下の場合、ノンブリードのコーキング又樹脂モルタル擦り込みが標準仕様です。0.5mm以上の場合、Uカット・樹脂モルタル充填がベストです。工事仕様書等でよく確認しましょう。塗装をした後、塗膜の寿命以前に壁のひび割れが再発する可能性があることから弾性塗料が開発されました。
名前の通り、このタイプの塗料には弾力性があり、建物や壁面の伸縮にある程度対応できます。「複層弾性」と呼ばれる旧来の高級品の廉価版として登場した「単層弾性ローラー仕上げ」といっても十分な量の塗布を行わない業者も多く、注意が必要です。「塗装後に生じるひび割れへの対策」としては、微弾性フィラーでの下塗りを厚くしておくことも若干の効果があります。

ひび写真

サイディングの継ぎ目には「コーキング」というゴム状の素材が詰めてあり、ここがひび割れたり裂けたりしているときは「コーキング」をやり直す必要があります。
モルタルの外壁にしてもサイディングの外壁にしても、塗料の性能を過信することは禁物です。あくまでも状態に適した、しっかりした下地調整が塗装の前提です。

外壁の材質や築年数によって、壁面の状態(=下地)はさまざまで、塗料の選択も変わってきます。

仕上げを美しく、また丈夫にするためには、下地調整と下塗りという工程が大変重要です。仕上塗り(上塗り)の前に、塗料が壁に付着しやすいように壁面の掃除をすること、また、ひび割れ・欠損の処置をする作業を下地調整といいます。水洗い等で汚れやホコリを十分に落とし、ひび割れ等があれば、埋めていきます。その後に下塗りをするわけですが、壁面の状態によって使用する下塗り材も使い分けます。

シーラーとは
上塗り塗料との密着をよくするために塗る。接着剤のような役割を果たします。

浸透性シーラー一般的なシーラーよりも浸透性に優れる。下地を固めて強化、吸い込みを止めるために塗る。
微弾性シーラー「フィラー」はもともとは、下地の状態を整えるためのコテ塗り材(下地調整材)のこと。微弾性フィラーはローラーで施工するための下塗り専用塗料で、乾燥しても若干の弾力性がある。シーラに比べ2~8倍の量の塗布が可能で、細かいひび割れや小さい穴等、下地のアラを隠すために使用される。特に厚く塗っておくことによって、塗り替えた後に生じるひび割れにある程度対処することができる。</TD>


この下地処理こそ塗装工事の中で一番重要なことであることは、もうお分かりだと思います。この下地処理を怠ると、せっかく仕上げ塗りにグレードの高いものを施工しても、すぐに剥がれたり、色あせが起こってしまいます。それでは一体どんな下地処理をしていくのかご説明いたしましょう。

外壁の下地処理
高圧水洗い洗浄
永い年月が経過しますと、汚れ・ホコリ・カビ・藻などが発生いたします。簡単にいうとホコリ落としなのですが、かなりの高圧で洗い流さないと意味はありません。この水洗いによって汚れなどを落とし、現状の壁面と仕上げ塗装材との付着強度を高めることができます。

モルタル面のひび割れ・サイディングボード目地の亀裂
先程説明したように、伸縮・振動などで亀裂が生じた場合、今後に備え、弾力のあるコーキングを指で亀裂の中に擦り込みます。亀裂の入ったコーキングは全面、または部分撤去いたします。撤去した目地部に専用のプライマーを塗り、弾力のあるコーキングを打ちます。水分を吸って反り返ったボードは釘を打ち込みなおします。しかし、外壁材や外壁仕上材によって下地処理は違ってきます。次にそれぞれの外壁仕上げ材における下地処理についてご説明いたします。

砂壁状の仕上げ材の下地処理(リシン・スタッコ)
砂壁状というのは、リシン・スタッコなどがありますが、これらはいずれも撥水性(水を弾く力)がなく、どうしても吸い込みがあるため、吸い込みの防止をする必要があります。これを防止するのがシーラーやフィラーといわれる下地調整材です。
吸い込みのない仕上げ材の下地処理①(吹き付けタイル・サイディングボード塗装品)
工場で塗装されたサイディングボードや吹き付けタイルなど、比較的吸い込みのない下地に関しては、基本的に直接仕上げ材を塗装しても問題はありません。しかし、表面がザラザラしていたり、チョーキング(白化現象)が著しい下地については、シーラーといわれる白色系(透明もある)の下地調整剤(液体)を塗ります。
吸い込みのない仕上げ材の下地処理②(金属サイディング・鉄板)
また、表面に錆が発生している場合は、当然錆止め処理が必要です。錆止め塗料にもいろいろありますが、エポキシ系錆止めをおすすめします。これは内部に浸透する錆止めで、表面の錆だけでなく、内部の腐食を防いでくれます。

その他いろいろな下地がありますが、基本的にはシーラーやアンダーフィラーなどの下地処理材で付着強度を高める必要があります。また、木壁などはケレンの上、吸い込みが激しいため下塗りが必要です。

屋根の下地処理
高圧水洗い洗浄
永い年月が経過しますと、汚れ・ホコリ・カビ・藻などが発生します。簡単に言うとホコリ落としなのですが、かなりの高圧で洗い流さないと意味はありません。この水洗いによって汚れなどを落とし、現状の屋根と仕上げ塗装材との付着強度を高めることができます。

スレート瓦・コロニアル瓦・モニエル瓦
いずれも下地処理方法は同じですが、屋根専用のシーラーを塗ります。また、スレート瓦に特有ですが、表面がザラザラしている場合にはカチオン系フィラーというセメントのような材料で表面を調整する必要があります。